ペロブスカイト発電ガラス(ペロブスカイト太陽電池を組み込んだガラス建材)と、それに対応するアルミ手摺の組み合わせは、
現在、建材一体型太陽電池(BIPV: Building-Integrated Photovoltaics)の分野で活発に開発・実証が進められている最先端の技術です。

従来のシリコン系発電ガラスの手摺と同様に、ペロブスカイト発電ガラスを手摺の面材として利用する製品が検討されていますが、
特にペロブスカイトならではのメリットを活かす設計が重要になります。

ペロブスカイト発電ガラスの特徴
ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン太陽電池と比較して、建材利用において特に以下の点で優位性があります。
1.軽量・薄型: 膜厚が非常に薄く、軽量なため、耐荷重性能の低い既存の建物や、より高い位置のバルコニー手摺への設置が容易になります。
2.透明度・意匠性: 半透明やグラデーション状の透過型にすることが可能であり、建物の窓や手摺の意匠性との両立が図れます。
3.設置場所の多様性: 軽さや薄さから、従来の太陽光パネルでは設置が困難だった場所(壁面、バルコニー、騒音対策壁など)への導入が期待されています。

アルミ手摺への組み込み
ペロブスカイト発電ガラスをアルミ手摺に組み込む場合、一般的な発電ガラス手摺と同様に、墜落防止の安全性能と発電ユニットとしての機能の両立が必要です。
・構造: 発電層を2枚のガラスで挟んだ合わせガラスや複層ガラスの構造(建材一体型)とし、それを手摺のアルミフレームで支持する形が想定されます。
・耐久性: ペロブスカイト太陽電池は湿気や熱に弱いという課題がありますが、建材一体型では、アルミ手摺の構造と組み合わせて、
 高い封止技術によりパネルの耐久性(耐候性)を確保する必要があります。(一部メーカーでは、シリコン型と同等の20年耐久を目指して開発中です。)
・施工: 建材としての強度に加え、電気の配線工事が不可欠となるため、施工方法やアルミ手摺のフレーム設計にも配慮が必要です。

開発・実用化の状況
日本の大手メーカーなどが、ペロブスカイト発電ガラスを「発電するガラス」と位置づけ、ビルや住宅の窓、バルコニーなどへの導入を目指し、実証実験を進めています。
現在、プロトタイプとしてバルコニー手摺への設置例も確認されており、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)化の促進に貢献するものとして、早期の量産化と製品化が期待されています。
現時点ではまだ一般に広く普及している製品というよりも、開発の最終段階にある先進的な建材と認識するのが適切です。